能楽現在形(5/19公演分) [萬斎さまっ!!]
5/19 世田谷パブリックシアターにて「能楽現在形」を観た。
この日は、「猩々乱」と「鉄輪(かなわ)」。
それにプラスして、萬斎さんと、一噌さんと、広忠さんの
ポストトーク。
丸一年くらい間が開いてしまったので、ほんっと久々。
いつもは、大体年に2回くらい行ってたんだけど。。。
一緒に行く友達と会うのも一年以上ぶり、お互いにいろんなことが
あったとさ。。。
座席は1階席後方。
「猩々乱」
猩々、という能の中で舞われる曲。
今回は、舞だけ抜き出して演じてます。
だからなのか、動きが違う(足捌きが特殊らしい)ことが
分かるくらいで、とても、
「海の上を猩々がお祝いの踊りを踊っている」
ようには見えませんでした。。。自分の知識のなさに反省。
「鉄輪(かなわ)」。
謡が聞き取りづらかったので、英語の字幕付で、ほっとしました。
頭の中で和訳しながら舞台を見ていました。
(鬼は「daemon」かよっ! 。。。まぁ、そうだろうな。。。)
夫に若い女ができて、追い出されてしまった女性の嫉妬に
駆られて、鬼になってしまう姿と、鬼になって夫を殺しにくる
姿を描きます。
前半部分の「はるばる歩いてきた」という情景を描き出すには、
世田谷パブリックシアターの第4の橋掛かり(※)は、
とってもぴったりしていました。
※ 普通は向かって左側に道が1本あるのですが、
それを劇場で実施すると、右寄りに舞台ができてしまうので、
世田谷パブリックシアターで作っている舞台では、
本舞台(四角いところ)を劇場の真正面に据え、
右と左に、道を1本ずつ出し、さらに真正面から奥にも
道を出します。
そして、真正面から奥に出した道を真横に伸ばすような形で
(劇場の奥を横に歩ける道があるイメージ)
道をつくります。
この道を「橋掛かり」といい、第4の橋掛かりとは、この
劇場奥の部分を指します。
「ポストトーク」
「鉄輪(かなわ)」のシテを演じていた狩野さんは、おっしゃいました。
いつもの能舞台と違い、屋根がなく、柱がほとんど見えない状態で
しかも、演じていて「ふっと」顔をあげると、真っ暗。
まるでブラックホールの中にいるみたいだった。
萬斎さんの一言。
「鉄輪(かなわ)」の女は、まちがいなくブラックホールの中にいると
思うのですが。
「ほんとうにその通り。前半は女の気持ちになって歩いてました。」
劇場に作った能舞台で、新しい試みをしているわけだから、
演じるほうにとっても大変なんですよね。
今までなんとなくしか分かっていなかったけれど、
能・狂言で、お囃子や謡が近くにいるのは、お囃子や謡で、演者に
パワーを送っているんだそうです。
パワーを送って、その波動で演者にエネルギーを与える。
すごいな、古典芸能。
しかし、一噌さん、「カマキリ」や「ジープ」や「海を越えた
セッション」やら、どんどんとんでもない方向に話が広がっていって、
萬斎さんと広忠さんで必死になって、元に戻している感じが
伝わってきます。
これ、3日間あるんですけど、きっとどの回も同じような感じなんでしょうね。。。
最後のオチは。。。「かなわねぇなぁ~」でした。。。
at 世田谷パブリックシアター
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