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2014/10/18 古館伊知郎トーキングブルース [見ました]

2014/10/18 古館伊知郎トーキングブルース@EX THEATER ROPPONGI
を見る。

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感想から、シンプルに言うと「重かった」。


プレリザーブで取ったチケットは、センターブロック前から5列目。
1階席は、ほぼ満席。
(定価リセール、というぴあのシステムがあるのですが、売りに出されると1時間で売り切れてました)
待ってた人は、この日を待っていたのでしょう。
私のように。


小さい頃から、この人の弾丸トークが好きだった。
何言ってるのかはわからない。
でも、テンポやノリ、流れるような話し声が気に入っていた。
ひょっとしたら、ずっとしゃべっているから、無音の状態がないので「寂しくない」だけだったのかもしれない。

少し時間が経ち、それでも、この人の話は好きだった。
「あれとそれをくっつけて、これを表現する!?」
というような独特なたとえとか、この人の持つ、言葉の感覚が好きだったのだろう。

社会人になり、心をなくしていた私は、ある日、ふと1つの動画を見つけた。
何がきっかけだったかはまったく覚えてない。

Ichiro Furutachi's TalkingBlues 7th
: http://youtu.be/Va3iwNLd8lU @YouTube

ひたすら、薬局の栄養ドリンクを語り続ける。
このトークで作る世界が私には楽しかった。
言葉だけで作り上げていく世界。

いつか、きっと生で聞きにいこう。

そう思っていたら、報道ステーションが始まった。

弾丸で実況し続けるわけじゃない。
ニュース番組だから、それは分かっていた。
でも、テレビから流れてくる言葉は、他のニュースとは違う、彼の言葉なのかと期待していた。

でも、実際は、ほかの番組と、まったく変わらない「ぺらぺら」の言葉だった。

薄っぺら。
表面だけ。
耳障りのいいこと。

ぺらぺらの言葉が必要なら、ニュース7や、お昼のニュースでいい。
夜のニュース番組に求めるのは、そこじゃない。
古館伊知郎の報道ステーションに求めるのはそこじゃないんだよ……

特色を出そうとしたのか、報道のポリシーもブレているように思えた。

かえって、その中で動いている彼が、もがいているように見えた。
みてられなくなって、相棒を見終わって、報道ステーションに変わった瞬間、テレビを消していた。


ある日、ぴあからメールが届いた。

「トーキングブルースが復活だと!?」
(報道ステーションやってるんだから、土日のどちらか、日曜日とか、翌日の準備もあるだろうし、
ぜってー、土曜日開催だろう!)

とあまり日付も見ずにチケット購入。
10年待っていた言葉の魔術師の登場だ。
言葉だけで映像をつむいでいく、本領を見せてほしい。

そんな思いで、東京へと向かった。



今までのトーキングブルースにはお題がありました。
今回は、題がない。

「俺は、ずっとトーキングブルースしてたんだよ。毎日!」

報道を続けてきた彼の10年間は、
人はなぜ生きるのか、そして、死んでいくのか。
なぜ、人は同じ種族同士で争い、その命を奪っていくのか。
シンプルな問いと向き合い続ける10年だったのでしょう。

「夕方、河川敷でしゃがんで向こう岸をぼーっと見ていたら、飛行機が飛んでいく。
 赤いランプをつけて、あぁ、離陸だなー、と思っていたら、なぜか涙が出てきた。
 俺は、マイクとカメラがあれば、なんでもできると思ってたが、
いざ、マイクもカメラもなく、丸裸になってみたら、明かりの灯っていないというだけで
 町工場に足を踏み入れることさえできなかった」

報道を続け、自分の目で見る世界は、自分を写す鏡だったのでしょうか。
報道の意味と向き合う年月だったのかもしれません。


「俺は、大事なときに、きちんとした言葉がいえなかった。
 それは、覚悟がなかったからだ」

お姉さん、お母さん、ご友人…たくさんの方との別れを経験され、
その時の選択は間違っていたのかと自分に問いかけ、
出した結論は、シンプルでした。

「言葉は人を傷つける武器にもなるけど、それが人を癒すこともできるんだ」
「覚悟をもって、相手のことを受け入れるくらいの勇気を持って、言葉を発することで
相手を癒すこともできるんだ」

激しく同意。

終演後、あえて今回、題をつけるとするなら、「古館伊知郎」だな、と六本木のアマンドの前を
通って帰った。

ずっしりと重かったけれど、言葉をきちんと使おう、そう感じた舞台でした。


雑感
 心肺停止の表現方法は、ほんっとそう思ってたから、よく言ってくれた!と思った。
 
 
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