2015/10/28 観劇：「水平線の歩き方」

2015/10/28　演劇集団キャラメルボックス「水平線の歩き方」＠穂の国とよはし芸術劇場PLAT　を見る。

（再演の時の感想はこちら　http://aisan.blog.so-net.ne.jp/2011-06-13　）


初演（2008年）・再演(2011年)、どちらも観にいった。
私の非常に好きな作品のうちの１つ。

こんなに早く再々演があるとは……。
クリスマスツアーの「BREATH」を神戸初日に観にいこうかと思っていたけど変更。

３連休の真ん中、10/11のグローブ座へ。

いつもどおりに泣いて。泣いて。
でも、何かが違うと思っていたら。

「２本立てなので、６０分にまとめるためにせりふを削ってます」

と言う話を聞いた。

10/25＠大垣
うわっ、このせりふが削られてたのか！　というのが３箇所くらい。
ただ、ホールの横幅が広かったせいか、２階席の一番後ろでは、
かなりアウェイ感があった。

大好きな演目なのに、なぜかお話に入り込めない。
寂しく思いつつ、豊橋公演の日を迎えた。

この日は、平日。
勤務先を定時であがっても、新幹線に乗らなければ開演に間に合わない。
名古屋駅に到着したのは、新幹線の時刻の１０分前。

豊橋までの往復切符は駅で買える。
けれど、名古屋駅では窓口はいつでも混んでる。
夕方１８時前の券売機もいつも混んでる。

「券売機に待ち列があったら、予定している新幹線に乗れない」

エスカレータから降りると右向け右。
券売機めがけてちょっと駆け足。
到着しても、混雑していて空いているところがみつからない。

「乗れないかな。。」

端の券売機に海外からの旅行者が何人か画面を覗き込むようにしている。
その隣。おねえさんのリュックが券売機に近すぎて、誰も使ってない！！

券売機に近づいたら、お姉さんが場所を移動してくれて、無事、並ばずに
切符が買えました！

あぁぁぁぁぁ、お姉さん、助かった！　ありがとう！！

ホームに上がったのは、発車時刻５分前。
これで、豊橋について迷わなければ。。。


お約束どおり、迷いました。
改札を出て右なのか左なのか。えぇーいっ、右。←正解。

不安な状態ではありましたが、何とか劇場にたどり着きました。
どこか世田谷パブリックシアターを思い出す、コンパクトだけど見やすい、
そんな感じでした。



あらすじと感想は、続きを読む、で。

（あらすじ） 社会人ラグビーの選手である幸一が部屋に帰ると、室内に６年生の時に 亡くなった母親がいた。いぶかしみながらも、今までの人生を母に語る。 母との二人暮らしだったため、母の死後は、母の弟夫婦と一緒に暮らした。 おじ・おばには迷惑をかけられないと優等生を続ける中、高校生で 出会ったのがラグビー。 そのおかげで、進学、就職、その後の社会人としての生活。恋愛。 すべてがうまく回り、順風満帆の生活。 が。ひざの怪我から、引退勧告。 最後にもう一度。。。と強行出場した試合でケガ。 杖なしでは歩けない状況に陥り....。

この舞台を見るのは、これで（初演・再演含めて）６回目。
ストーリーはもちろん、ご当地ネタをどこで突っ込んでくるかも分かってる。
再々演だけでもこれで３回目。



弟夫妻が、幸一に「一緒に暮らそう」と語る中で、自分が父に見捨てられた事を
自覚させられる。この時からずっと彼は精神的にひとりぼっちだった。

捨てられるわけにはいかないし、好きになったら、また消えてなくなってしまう。
小学生なりに、心の壁を作って自分を守った。
そのまま、そういうものだと思い込み、大人になった。

母の幽霊と会話をして、自分は一人で生きていなかったことに気づく。
自分を周囲の人が支えてくれていたことに。
自分が周囲の人の支えになっていたことに。
自分が周りと距離を置いても、周りはそこまで含めてわかって、接してくれたことに。

２３年かかって、１２歳で作った心の壁を壊し、やっと「自分」を出した。
心から安心して自分を出して、１２歳の頃の寂しさやつらさを全部見せた。
そうして初めて、今もなお母に暖かく見守られていることや、
周囲の人に助けられていること、甘えても信頼してもいいってこと、
が、幸一の心の中にすっと入っていく。


東京大阪以外のツアーで使われていたポスターには、
「人はね、幸一。一人じゃ生きられないの」
が加わっていた。

前２回のポスターにはなかったと思うが、
この一言がこのストーリーのすべて。


人は一人じゃ生きていけない。
ありがとうございます。